日時

日時 2024年6月22日(土)15:30~17:30 

場所 関西大学堺キャンパス SA501

テーマ

スポーツが人の成長を促す条件 〜選手育成と大学スポーツ〜

企画趣旨

本企画では、スポーツが人の成長を促すときの諸条件とは何かをあらためて問いかける。いまやトップアスリートは純粋な競技場面に留まらず、啓発本やビジネス番組などにも登場し、彼/彼女らの姿勢や成功体験から学びを得ようする潮流は、一つのコンテンツとして定着しつつある。また、その卵であるジュニア選手や学生アスリートも、早くから模範的な振る舞いを獲得することが求められたり、ときにメディアで期待の星として取り上げられたりもしている。これらは、スポーツを通した学びや気づき、人材育成への期待が決して低くないことを明示しているだろう。そして、その主たる市場の一つとして、大学スポーツが近年注目されている。たとえば「日本再興戦略2016」が発表されて以降、「日本の大学等が持つスポーツ資源の潜在力(人材輩出、経済活性化、地域貢献等)をいかす」ことが積極的に目指されているのである。

一方では、こうした期待を手放しに引き受けて、スポーツのもつ潜在力なるものに投資を続けることには危険性もある。既に大学スポーツでは、学生アスリートを抱え込むなかでタックル問題や薬物問題などが起きており、その構造的な歪みが浮き彫りになり始めている。スポーツによって育まれるものだけでなく、スポーツを通した人材育成やキャリア形成を図るその具体的な条件についても深く切り込んでいく必要があるといえよう。そこで本企画では、実際にアスリートの育成やリクルートに尽力している実践者(二宮氏)と大学スポーツをめぐる環境について論究している研究者(束原氏)から、スポーツが人の成長を促すときの諸条件とは何かについてお話をいただく。それぞれの立場からの議論を交えつつ、スポーツによって育まれるものが、どのような条件のもとに学びとなりうるのか、また社会的価値と結びくのかについて検討し、こうした課題に対する学術的関心を触発する機会としたい。

登壇者

【パネリスト】
 二宮  博(元ガンバ大阪スカウトマン、バリュエンスホールディングス社長室シニアスペシャリスト)
  「選手育成の観点からみた大学サッカー ~一流の共通点~」

 束原  文郎(京都先端科学大学)  
  「大学スポーツ環境の適正化と女性スポーツの振興」

【司 会】
 竹内 秀一(関西大学特任体育講師)